映画「ボーダーライン」のあらすじと感想:分かりにくい部分も解説!

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こんにちは、hideと申します!

今回は、映画「ボーダーライン」の感想・解説を紹介していきたいと思います!

 

激化する麻薬戦争。
実態が見えなくとも、すぐ隣に「死」がある恐怖。
そこには絶対的な暴力と底知れぬ闇が存在します。 

しかし同時に、日本で暮らす私達にはどこか現実味にかける出来事でもあります。

そうです。
だから私達には、この映画「ボーダーライン」は難しい!

 

そこで、今回は映画「ボーダーライン」について

  • 映画内に登場する用語の解説
  • 分かりにくい場面・人物についての解説
  • 映画を見た私の感想

を紹介していきたいと思います!

  

映画見たけどよく分からなかったという方、
ぜひこのブログを読んで、「ボーダーライン」を面白いと思って頂けたら嬉しいです。

映画「ボーダーライン」の作品紹介

本作は、2016年に公開されたアクション映画。

メキシコ麻薬カルテル捜査に招集されたFBI捜査官の姿を描いた作品です。

監督は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ

地球外生命体との交信を描いた「メッセージ」やあの有名作の続編「ブレードランナー 2049」を手掛けた監督です。

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2021年には、SF映画の金字塔「デューン」一作目を手掛け、話題になりました。

本作「ボーダーライン」は国際的な評価も高く、第88回アカデミー賞では撮影賞・音響編集賞・作曲賞の3部門にノミネートされました。

キャスト

主人公 役
・ケイト・メイサー:エミリー・ブラント
映画「プラダを着た悪魔」では、主人公の同僚を演じていました。おっちょこちょい役がハマっていた彼女でしたが、今作では経験豊富なFBI捜査官を演じています。

自称、国防総省の顧問 役
・マット・グレイヴァー:ジョシュ・ブローリン
最近では、映画「アベンジャーズ」シリーズの大ボスのサノスを演じていた俳優です。
個人的には余裕のある微笑が特徴的な俳優だど思っています。
なんかバカにされてる気がして、上司にいてほしくないと思っていました。
今作では、そんな私の妄想を具現化したようなエリート男を演じています。

謎の男 役
・アレハンドロ・ギリック:ベニチオ・デル・トロ
「ユージュアル・サスペクツ」「21g」等での出演が印象的です。
今作では、マットの相棒で正体不明の男役。
存在感が半端ないです。
もうこれ以上の言葉はいらないと思います。

主人公の相棒 役
・レジー・ウェイン:ダニエル・カルーヤ
映画「ゲット・アウト」の主人公役を演じていた俳優さんです。
今作では、主人公の後輩のFBI捜査官を演じています。

映画「ボーダーライン」のあらすじ(ネタバレなし)

場所はアリゾナ州チャンドラー。
誘拐即応班のケイト(エミリー・ブラント)は誘拐事件の容疑者宅への奇襲作戦を行う。

しかし、そこで見つかったのは大量の死体。
更に物置に仕掛けられた爆弾により、同僚2人が死亡してしまう。

その非道な手口は、麻薬組織「ソノラ・カルテル」のものと酷似していた。

事件の主犯を捕まえるため、ケイトは国防総省のマット(ジョシュ・ブローリン)率いる特別部隊への参加を決める。

正義感に燃えるケイトだったが、そこで待っていたのは過酷な麻薬カルテルの現実と法を無視した武力行使だった。

非常な現実に揺さぶられ、疲弊するケイト。
しかし、彼女は麻薬戦争のさらなる「闇」へ巻き込まれていく。

映画「ボーダーライン」の用語解説

本作を鑑賞する上で知っているべき知識を解説します。
私は正直、アメリカとメキシコの麻薬情勢について「ブレイキング・バッド」で得たぐらいの知識しかありませんでした。
そのため、鑑賞中は無知ゆえに戸惑ってしまう場面が多々ありました。

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私と同じような方の助けになればと思い、基本事項をまとめました!

・麻薬カルテル
麻薬の製造や売買を行う組織の総称です。
組織の中には多くの武器と兵士を保有し、政府の軍部にも匹敵するものもあります。
特にメキシコでは、アメリカへの麻薬の流通を巡って抗争が続いており、市民を含め多くの方が亡くなっています。
本作では「ソノラ・カルテル」が主軸として登場します。

・メデジン
アレハンドロが「メデジン?」と聞かれる場面があります。私も一緒になって「?」でした。
メデジンとはコロンビアを代表する麻薬カルテルを指します。

・地理的説明
アメリカ南部とメキシコの地理に疎いと、物語の流れについていくのに苦労します(体験談)。

以下、劇中の舞台となった地域です↓

作中に登場順は ①→②→③→④→⑤→⑥

①フェニックス
アメリカ南部、アリゾナ州の都市。
作中で最初の奇襲作戦が行われた場所。
ケイトが住んでいたのもこの街です。

②エル・パソ
テキサス州最西端に位置する都市。
メキシコとの国境付近にあり、人口の8割がヒスパニック系といわれています。
ギエルモが移送され、拷問を受けた基地がありました。

③フアレス
メキシコのチワワ州最大の都市。
ケイトの初任務(ギエルモの移送)の場所です。
銃撃戦と治安の悪さにより、印象に残る街でしたが、登場は1度のみです。

④モンテレイ
メキシコ北東部の州都。
アレハンドロの元同僚の検察官が住む街です。
治安はフアレスよりだいぶ良いです。

⑤ツートン
アメリカ、アリゾナ州の都市です。
作中では、ここでノガレスからの不法入国者のスカウトを行いました。

⑥ノガレス
北側がアメリカ(アリゾナ州)、南側でメキシコ(ソノラ州)に分かれた場所です。
作中では、ここに麻薬密売ルートのトンネルがありました。
また、シルビオが暮らす街でもあります。

ここからは、映画「ボーダーライン」の詳しい解説と感想です。
ネタバレありですので、ぜひ視聴後にどうぞ!

映画「ボーダーライン」のあらすじ・解説(ネタバレあり)

紛らわしい登場人物

本作では、麻薬カルテルの構成員であるメキシコ人が何人か登場します。
聞き慣れない発音の名前のキャラがなかなか姿を現さないので、物語が進むうちに誰が誰だかよくわからなくなります。
物語の詳しい解説の前に、特に重要な3人を整理しました。

・マヌエル・ディアス 
ソノラ・カルテルの幹部で、アメリカ支部のボス。
ケイトらが突入し爆発した屋敷の名義主。
ケイトは、こいつを捕まえるために新任務に配属されたと思っていました。

・ギエルモ・ディアス 
マヌエルの兄。
メキシコからアメリカに送還され、マットとアレハンドロに水責めの拷問を受けていた人です。

・ファウスト・アラルコン
マヌエルを従えるボス。
1番最後に出てきた人です。
アレハンドロは「奴を見つけることは、ワクチンの開発と同じくらい価値がある」と説明しました。

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一回の鑑賞で完璧に理解できた方、尊敬です!

以下、ネタバレ解説です。

作戦の真意

結果からいうと、マットの目的はマヌエルの逮捕ではなく、彼のボスのファウストの殺害。

マットが所属するCIAは単独での国内活動は禁止されており、ケイトをチームに入れた理由はケイトが持つFBIとしての権限を利用したかったためでした。

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マットとしてはケイトは付いてくれば良いだけなので、彼女にろくに作戦内容を伝えなかったのはこのため。

かつて、アメリカに流通する麻薬の量はコロンビア麻薬カルテル「メデジン・カルテル」が実権を握っていました。
彼らからみかじめ料を取ることで、アメリカは自国内で自分達が把握できる量の麻薬を流通させていたのです。

 

しかし、メキシコ麻薬カルテルが台頭したせいで、その秩序は崩壊。

ソノラ・カルテルのボスであるファウストを殺害しメキシコ麻薬カルテルを撲滅する事で、かつてのようなコロンビア麻薬カルテルの一強体制を再建させる事が目的でした。

 

アレハンドロの正体は、メデジン・カルテルが雇った殺し屋。

全ての作戦は、ファウスト殺害のためアレハンドロをメキシコ側へ送るためでした。

 

本来、悪であるはずのコロンビア麻薬カルテルと協力して、秩序を維持しようとする。

しかも、それを決めたのはアメリカの上層部。

善悪の「ボーダーライン」を超えた現実の連続にケイトは苦悩し、告発を宣言します。

 

マットとアレハンドロの作戦は、次のような流れになっていました。

作戦1┃ギエルモの移送

フアレスで逮捕されたギエルモをアメリカに移送。
拷問の末、ギエルモから麻薬密売ルートの「トンネル」はノガレスにあることを吐かせます。

作戦2┃トンネルの在処

一行はツートンへ行き、メキシコからの不法入国者のスカウトを開始します。
ノガレスで捕まった者達からの証言により、トンネルの詳細な位置を特定します。

作戦3┃金銭の取り上げ

カルテル側の動揺を誘うため、マヌエルの銀行口座を凍結させます。
不正な金の流れからケイトはこれで立件が可能であると主張しますが、マヌエルをだしにボスを見つけたい上層部はこれを却下します。

作戦4┃囮

これは想定外に生じた出来事。
銀行で顔の割れたケイトに対し、カルテル側は捜査情報を探るための汚職警官を派遣。
これを見抜いていたマットらはケイトを囮に使い、汚職警官を逮捕します。
拷問の末、アメリカ内部の汚職警官の人数を自供させます。

最終目標┃トンネルへの急襲と暗殺

資金の凍結、汚職警官の一斉逮捕により、マヌエルはボスから呼び出しを受けます。
マヌエルの移動を合図に、ノガレスのトンネルへ急襲作戦を開始。
マットの任務はアレハンドロをメキシコ側へ送り出すこと。
メキシコに潜入したアレハンドロは、マヌエルを脅迫しファウストの居場所を発見、その後殺害します。

映画「ボーダーライン」の感想・考察

本当の主役

本作の原題は「Sicario」
スペイン語で「暗殺者」を意味します。

 

そっちが本当の主役だったのか〜!

 

映画を見た方、全員がそう思ったのではないでしょうか?

前半から中盤に不安な空気感を見せ、後半絶対何か起こる…と予想させてからのあの演出。

本当に痺れました!

只者ではない雰囲気を匂わつつも、序盤は作戦に翻弄されるケイトに集中させ、謎が解けてから彼の活躍をメインに描く構成は本当によく出来ていると思います!

 

アレハンドロを演じたベニチオ・デル・トロの圧倒的な存在感も凄まじい。

特に、終盤の汚職警官が運転するパトカーの後ろに潜む姿はまさに「幽霊」。

作中の異名通りの名演技を見せてくれたと思います。

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ベニチオ・デル・トロのベストアクトになったのではないでしょうか?

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ケイトの存在理由

では、主人公のケイトが存在する意味は何だったのでしょうか?

観客を物語の中に落とし込む役割

ケイトは主人公であるにも関わらず、同行する作戦について何も聞かされません。

それは、見ている私達にとっても同じ。

いつ起こるかわからない銃激戦や戦闘。
彼女の安全は脅かされ続けるのに、肝心な事は何もわからない。

 

物語の中盤までのこの「ケイト=観客」という構図は、次は何が起きるんだ?と私達を物語に没入させる役割を果たしているのではないでしょうか。

倫理観の「境界線」、異様さの強調

主人公のケイトは常識的な感性を持ち、法や正義感など通常の倫理観に沿って生活しています。

 

しかし、本作でその対局にいるのが、アレハンドロやマット、そして敵である麻薬カルテル。

彼らは私達の考える倫理観の外側で生きています。

 

「ケイトという常識」から彼らを覗く事で、彼らの異様さをより鮮明に映し出しているのではないでしょうか。

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邦題の「ボーダーライン」はナイスチョイスだと思います!

また余談ですが、彼女がこの戦いに屈してしまう事は説明されていたのかもしれません。

最初の屋敷での殺害・死体遺棄はカルテルの手口。通常では考えられない手口にケイトは吐き気を抑えられず、目を背けます。

この段階で、彼女は「彼らの世界」にはついていけない事を暗示しているといえます。

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映画「ボーダーライン」のまとめ

いかがだったでしょうか。

本作は、麻薬戦争を舞台とした社会の闇を圧倒的な臨場感で楽しめるアクション映画でした。

素晴らしいエンターテイメント作品ですが、その根幹には麻薬戦争の悲惨さが描かれていると感じました。

特に、最後のシーン。
アレハンドロに殺された汚職警官の息子が、サッカーをするその隣で鳴り響く銃声。

それはまるで、「お前らは知らないかもしれないけど、こんな世界が実際にあるんだぞ?」と言われているよう。

皆さんは、何を感じましたか?

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こうした映画は、現代社会の問題を考えるきっかけになりますよね。

以上、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

では、次回!

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